ねこたとは(団体理念)
すべての若者が人生の創造主体となり、豊かに生きていける社会に
上記スローガンを掲げ、2018年6月に活動を始めた「任意団体 生き方工房necota」(以下ねこた)です。わたしたちがどんな想いを抱き、どんな理念を大切に活動をしているのか、ここでは綴っていきます。またスローガンとともに、「学び」に重点をおきながら「暮らし・余暇・社会参画」を活動の基盤に据えていることも踏まえ、それぞれの言葉に込めた想いについても小枝を集めていきます。
「好き」と創造
創造的な生き方には「好き」の気持ちから始まる暮らしや余暇、それを通じた社会参画が大切です。その「好き」の気持ちをより楽しむために必要になるのが知識や教養。それを身に付けるための「学び」の重要性を考え、「暮らし・余暇・社会参画」の中心に「学び」という言葉を加えています。そして決して社会に消費される(消費する)ことなく、自身の手で創造しながら得られる体験や経験であることが、自身の人生の創造主体になるには大切な要素となります。
他者と対話し、得られること、もの。そんな対話の大切さからも見えるように、人はひとりでは生きていけないものです。それゆえその「豊か」さの探求・追求の先では個々人の生き方にとどまらず、この社会へ自分は影響力を発揮しているのか? という投げかけへ波及していきます。創造的且つ「豊か」に生きていくためには社会の在り方の変容も必須です。そこへ自身が関与しているということ、傍観者ではなく主体的にこの社会へ働きかけられるということ、それを実感できること。「豊か」で「創造」的な生き方に対し、社会参画という言葉を据えているのはそういった想いを込めているからです。
豊かな生き方とはなにか?
「豊か」という言葉はひとことで説明できません。それは人それぞれ様々なかたちの「豊か」さがあり、これという正解が明示できないからです。ねこたでは日々の活動のなか、自分自身にとって豊かな生き方とはなにか? という問いを仲間と共に語り合い、探求・追求しています。それらは個々の日常の中に存分に散りばめられており、各々の視点から掬い、他者と対話すること、言葉に限らず絵や音楽などで伝え、受け取り、それを繰り返していくこと、そうして表出してくる一人ひとりの声を大事にしながら、自身の生き方の問い直しを続けていく。その一連が「豊か」さの探求・追求に対し必要で、さらにそういった関係性や場があることそのものが「豊か」に生きていける社会に繋がっています。
分断を生まない社会であること
余暇のある豊かな暮らし。その自分自身の人生や社会に対して創造主体になり得るためには、貧困や不登校などの育ってきた環境の影響から生まれる格差を是正することが必要だと考えています。貧困や不登校などの環境格差は、知識・教養を育む教育機会へ触れる機会の不足のみならず、それらを仕事に活かすこと、余暇を楽しむこと、それ自体へ繋がる機会にも格差を生じさせていることが多くあります。その格差を是正しながら環境格差だけではなく、障がいの有無や差別への是正も含み、社会において分断を生まないことを大切にしていきたい。そのために、貧困や不登校に限らず、ユニバーサルに場を開いたうえで、たんに知識や教養を身に付けるためのものにするのではなく対話、特に他者の話を「聴く」ことに重きをおいた学びの場を通して、多様な人々が多様な生き方、考え方、育った環境や互いの文化の違いを尊重しあい、対話(言葉のみならず身体表現や視覚表現など)によって他者を認め、許し合い、分断を生まない社会の在り方を目指しています。
猫にも地球にも人にも優しく
最後に。これはねこたが団体設立をする前段階、構想を練っているときのスローガンです。この気持ちは今も変わらず持ち続けており、わたしたちは人が生きていく社会に視点をおいてさえも、人にだけ都合のいいものは持続可能ではないと思っています。もちろん言うまでもなく、それは地球環境や他の生態系にとっても持続可能性の低い、もしくは全くないと言ってしまえる世界です。地球はもちろんのこと、猫などの他生物との共存の必要性、そしてそれらを尊重してこそ初めて成しえるもの。人よりも猫、そして地球を前に置き、SDGsの理念も大切にしているねこたです。
代表 櫻井 優(2020.12.6 改稿)